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ワインの保存方法について

有留 拓人

ワインの保存方法について



ワイン
セラーを買うまではいかないけれど、おうちでのワインの保存方法のポイントをチェック


声を大にして言いたいことがあります。

ワインを美味しく楽しむためには、適切な保存方法が重要です!!!


先日、とあるお客様から非常に貴重なヴィンテージワインを頂戴し、一緒に楽しむ機会をいただきました。

どれも20年前後の超長期熟成ワインばかり!

最も古いもので1993年のものがありました。

(O様、本当にありがとうございました。)


正直なところ、残念ながらグロワグロワではそうしたワインを扱う機会があまりないため、私としても、抜栓には嬉しさと同時に緊張がありました。


いざ開けてみると…


「…!?」


いただいたものの中の一本は、いままで感じたことのない奥深い熟成感。

これが「熟成」かあ~としみじみ感じました。

感動です。


しかし、別の一本は、筆舌に尽くしがたい風味が…

酸味は、酢を通り越して劣化し、苦虫を噛み潰したような刺激が口内に広がる…

時を超えて美味しく飲まれるのをずっと待っていたワインが、その時を迎えることなく排水溝へ流れていくさまは、悲しいです。


聞くと、ずーっと納戸に入れっぱなしで忘れられていたワインだったそう。


そんなことがありましたので、おうちでワインを保存するうえで知っておくと良いかなと思うことを、この記事では簡単にまとめたいと思います。


 

目次


ワインの保存場所

保存する場所のポイント

おうちで条件を満たす場所

ボトルの置き方

開栓後のワインの保存方法

開栓後保存のポイント

保存期間の目安

ワインセラーは必要?

まとめ


 


ワインの保存温度


理想の温度


ワインは温度変化に敏感な飲み物です。兎にも角にもまず温度!

他のことは、その後!

理想的と言われる温度は


ずばり、15℃以下!


温度が高すぎると熟成が早まり、低すぎると風味が損なわれる可能性があります。

熟成というと聞こえは良いですが、要は緩やかに劣化していくわけです。何事も急ぐべからず。


急激な温度変化もワインに悪影響を与えるため、適切な温度で一定の温度を保つことが大切です。

ちなみにグロワのワイン保存用セラーの温度は、季節によりますが、基本14℃で設定しております。


欲を言えばもう少し低くてもいいかなと思いますが、セラーから出してすぐお客様にご提供することも多いので、あまり低すぎると赤ワインがキンキンになって美味しく飲めません。


ただご自宅にセラーがあるかというと、カジュアルワインラバーにとってはなかなか難しいところです。

スペースのことは置いておいて、温度だけを考えるのであれば冷蔵庫が最も現実的な選択肢になるでしょう。


飲む時の温度とは別の話


あくまで保管時の温度の話ですので、飲むときはそのワインごとに考えてあげたほうが良いです。

例えば、おうちの冷蔵庫で赤ワインを保管していたとしたら…


  • 春、秋 : 30分〜45分ほど室温で

  • 夏 : 10分〜20分ほど室温で

  • 冬 : 1時間程度室温で


上記を目安に温度を調節すると、良いかなと思います。

ただワインのものにもよりますし、あくまでお好みで。

私なんかは夏なら軽めのワインを冷蔵庫から出して冷たいまま飲むのも大好きです。




ワインの保存場所


保存する場所のポイント


重用なポイントは以下。


  •  直射日光を避ける

    ワインは紫外線に弱く、光に当たると劣化しやすくなります。暗い場所に保存しましょう。


  •  湿度は50〜70%に保つ

    湿度が低すぎるとコルクが乾燥し、空気が入り酸化の原因になります。逆に湿度が高すぎるとカビの発生につながります。


  • 振動の少ない場所に置く

    振動が多いとワインの成分が変化し、風味に悪影響を与えます。冷蔵庫の扉近くや振動のある場所は避けましょう。


  • 温度変化が少ない場所に置く

  • 季節によっては部屋の隅っこや、押し入れも良いんじゃないかと思うところですが、冷暖房のon、off、日々の気温変化は無視できません。一定であることが大事です。


おうちで条件を満たす場所…


上記の条件を満たす場所って、洞窟くらいじゃね?と思う方もいるでしょう。


実際にフランスの銘醸地などでは醸造所の地下の洞窟にワインを保管しているところもあります。確か日本のワイナリーにもあった気がします。(詳細は失念しました)


地面の下というのは温度や湿度が一定に保たれやすく、また日光も届かないためワインの長期保管には最適です。資金に余裕のある方は地下洞窟をご自宅の下に設けるのも良いかと。

一般庶民は素直に冷蔵庫です。




ワインボトルの置き方


ワインの保存にはボトルの向きも重要です。


  • コルク栓のワイン横向きに保存

    コルクが乾燥するのを防ぎ、酸化を防ぐため


  • スクリューキャップのワイン縦向きでOK

    これに関しては意外とご存じない方も多い印象です。


お家でカジュアルに保管、ということであれば意識しなくても実害はあまりないかと思います。


コルク栓ではなく、王冠やスクリューキャップのワイン、または短期保存なら良いんですが、じっくり熟成させようということなら必ず横向きに保管しましょう。

ただその場合は冷蔵庫ではなくセラーでの保管される方がほとんどでしょうし、セラーは横向きが基本ですのであまり心配することはないかも知れません。




開封後のワインの保存方法


開栓後保存のポイント


ワインを開けた後は、なるべく早く飲むのがベストですが、保存方法によって数日間は美味しさを保つことができます。


  • 冷蔵庫で保存

    赤ワインも白ワインも、開封後は冷蔵庫に入れるほうが無難。

  • コルクで栓

    ワイン内部の空気を吸い出して酸化を防ぐアイテムを使用するのも手ですが、せっかくの香りまでなくなってしまうことも…。


 保存期間の目安


ワインは生き物のようなものです。抜栓後は酸化反応により急激に変化していきます。その変化が楽しいもので、抜栓直後と味が変わったからと言ってすぐにもう飲めない、というわけではありません。

劣化とは紙一重ですが、この変化こそワインの一つの醍醐味です。


  • 赤ワイン:3〜7日

  • 白ワイン・ロゼワイン:3〜5日

  • スパークリングワイン:1〜2日(専用ストッパー推奨)


優れたワインはたとえ白ワインでも、あるいは酸化防止剤が無添加でも、1週間以上その美味しさが持続することもあります。

すぐに飲みきらなきゃと焦って飲むより、移ろう味わいをゆっくり楽しんでくださいね。




ワインセラーは必要?


本格的にワインを楽しみたいなら、ワインセラーの導入はもちろんおすすめです。


 メリット


  • 適切な温度・湿度を一定に保てる

  • 長期熟成が可能

  • ワインを美味しい状態でキープできる


デメリット

  • 導入費用

  • スペース


極端な話、ワインの本数を抱えて保存するならセラーはあったほうが良いです。

逆に数本を短いスパンで飲む方なら、冷暗所と冷蔵庫の保管で十分、というのが私の意見。

(あくまでカジュアルワインラバー向けのお話です、と言う補足はしておきます。)




まとめ


ワインを美味しく保存するためには、温度・湿度・光・振動に注意することが大切です。特に開封後は酸化を防ぐ工夫をして、最後まで美味しく楽しみましょう。


ワインセラーがなくても、ちょっとした工夫で品質を保つことができます。

ワインを長く美味しく楽しむために、ぜひ適切な保存方法を実践してみてください!🍷

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